穆太の気味悪さが、信の未熟さを真正面から暴き出す穆太って、派手な大物感というより“本能で嫌な敵”なんだよね。

毒矢で間合いを乱して、殺気で体をすくませて、斧で一気に詰めてくる。見ていて「うわ、近づきたくない…!」ってなる相手だから、信の足が止まるのも分かるんだ。徐完戦を乗り越えたからもう大丈夫、とは全然ならない。敵が変われば壁の形も変わるって見せてくるのが、この作品の戦いの面白さだよ。

「下がるな」の一言で、信が自分の戦い方を初めて自分のものにするこの回の一番気持ちいいところ、やっぱりここなんだよね。

嬴政の言葉で信が思い出すのは、自分が上手いから勝つわけじゃないってこと。怖くても、血だらけでも、一歩ずつでも前へ出る。そのしつこさこそが信の強さなんだ。単なる根性論じゃなくて、「自分の武器の理解」にたどり着くから熱い。だから穆太への反撃も、勝ったというより“信が信の戦い方を手に入れた”感じがするんだよっ。

昌文君の帰還と王騎の気配で、王宮側の熱まで一気に戻ってくるしかもこの回、穆太を破って終わりじゃないのがいいんだ。

嬴政へ飛ぶ毒矢を止めるように昌文君が戻ってくるし、裏では王騎が竭氏側に立って首級を巡る駆け引きを続けている。信の個人戦と王宮の大きな政争が、同じ熱量でちゃんと並んで走ってるんだよね。ここで王騎の底知れなさまでじわっと効いてくるから、物語全体の温度がまた一段上がるんだ。